【与えてはいけない食べ物】

　猫には、絶対に与えてはいけない食べ物が沢山あります。

　命の危険がある場合もありますので、要注意です。

【牛乳】
乳製品に含まれるラクトースを分解する酵素、ラクターゼを十分に持っていない個体もあり、これに乳製品を与えると下痢を引き起こします（※猫用にラクトースが含まれていない乳製品が市販されています)。判断基準としては、便に異常が無ければ大丈夫といえます。とにかく、下痢は猫にとって重大な事態です。体調を毎日観察しましょう。

【生タマゴ】

アビジンという酵素を含み、ビタミンＢ群の一つ、ビオチンの吸収を妨げる。これは、皮膚や皮毛を傷める可能性があります。また、生タマゴはサルモネラ菌を含む可能性がありますので、食中毒の原因となります。

【ねこまんま】
お米のご飯にかつおぶしやお味噌汁をザバっと掛けた所謂「ねこまんま」は、低タンパク、カルシウム不足、高リン、かつ塩分が多過ぎです。昔の猫の平均寿命が今よりとても短かった要因と考えられています。

【塩分】
猫は塩分を体外に排出できないのでいけません。肝臓への負担が大きくなってしまいます。人間の食事は全般的に塩気が強く、猫にとっては塩分過多です。人間用に味付けされた肉・魚は避けて下さい。知らずに焼きジャケを与え続け、結石で苦しんだという話を耳にした事があります。ハム、チーズも塩分が強いのでご注意を！

【海苔】

マグネシウムが多く含まれており、膀胱に結晶ができ、尿道の閉鎖を引き起こす可能性があります。

【ネギ、長ネギ、玉ネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウなど】
重い貧血になる可能性があります。アリルプロピルジスルファイドなどの成分が赤血球を破壊するため、溶血性貧血、ハインツ小体性貧血を起こします。量によっては死に至る事もあります。玉葱を煮込んだスープなど、エキスが出ているものも危険です。料理に使われている場合は見落としがちなので注意してください。人間の食べ物は与えない事が無難です。

【アワビ、サザエ、トリガイ】
特に肝臓に含まれる成分がよくありません。日の光にあたると毒に変化します。猫の耳は毛が薄い為、血管中の成分が炎症を起こします。葉緑素の分解生成物により重度の皮膚炎を起こす可能性があります。

【イカ、タコ、スルメ】

生の魚介類に含まれているチアミナーゼという酵素がビタミンＢ１（チアミン）を分解してしまい、急性ビタミンＢ１欠乏症を引き起こしてしまいます。ビタミンＢ１欠乏症の初期段階では、食欲低下・嘔吐が、さらに進むと、瞳孔が開き、歩き方がフラフラになります。症状が重くなると、痙攣をおこす・異常な姿勢をとったり大声で鳴き続けるなどが見られついには昏睡状態に陥り死亡してしまいます。スルメは消化器官で10倍に膨らむ為、消化不良、急性胃拡張などの問題を引き起こします。

【植物】
消化を助ける為に、猫はよく草を口にすることがあります。最近、ペットショップでよく見かける猫草は毛玉を排出するのに効果的で安心です。しかし、猫には毒の植物も身の回りに多いのです。ユリ・サクラ・チューリップ、アイリス、アジサイ、アマリリス、アロエ、菊、クロッカス、ゴムの木、シャクナゲ、水仙、スィートピー、スズラン、ゼラニウム、チューリップ、ツヅジ、など身近な植物も危険です。自宅にある観葉植物が猫にとって毒でないか、必ず調べることをお勧めします。猫にとって有害な植物は７００種類もあると言われています。「猫　植物　毒」で検索すると沢山情報が出てきますので、必ずご確認ください。参考としてこちらのサイトが良いかと思います。http://www.petkusuri.com/pages/%E7%8C%AB%E3%81%AB%E6%9C%89%E5%AE%B3%E3%81%AA%E6%A4%8D%E7%89%A9.html

【チョコレート、ココア、カカオ】
チョコレートなどは心臓に負担がかかると言われていますので避けましょう。カカオの成分であるデオブロミンが中枢神経を刺激する毒素となります。デオブロミンとは、カカオの香り成分の1つです。カカオ含有量の高いビターチョコほど犬や猫には危険となります。不整脈、心拍の増加、口の渇き、過剰な活動、痙攣、発作、嘔吐などの症状を引き起こします。猫の味覚は甘いものを感じづらいと言われており、肥満・虫歯・糖尿病の危険もある為、スイーツをあえて与えない方が賢明です。

【ブドウ、レーズン、マカデミアナッツ】

アメリカの調査機関により、犬･猫には有害性があると認められました。しかし因果関係はまだはっきり解明されていません。摂取後2～3時間後から嘔吐、下痢、腹痛、3～5日後に腎不全を起こした例があります。

【柿】

種が腸閉塞、腸炎を引き起こす可能性があります。

【パン（イースト菌の含まれたもの）】

消化管の中で膨らみ、ガスを発生させる場合があり、痛みが出るほか、胃や腸の破裂につながる可能性があります。

【アボカド】

アボカドに含まれるペルジンが犬や猫には毒になります。ペルジンは果実だけではなく、葉、種子、樹皮にも含まれています。嘔吐、下痢を含む胃腸の炎症、死亡の恐れがあります。

【コーヒー、茶、その他のカフェイン含有物】

猫にとって有害なカフェイン、チオブロミン、チオフィリンなどが含まれており、心臓や神経系に異常をきたす可能性があります。

【レバー】

筋肉や骨に影響を及ぼすビタミンＡ中毒を引き起こす可能性があります。

【人間用のサプリメント、医薬品】

人間用に処方されたものを獣医師の許可無く与えるのはとても危険です。
ASPCAの発表によると、アメリカ国内のペットの事故の第一位は人間用の医薬品によるものです。鎮痛剤、風邪薬、抗うつ剤、栄養補助食品によるものが最も多いので、誤飲に気をつけましょう。